鳥さんともっと仲良くなるために ~「行動学」とは何か?について解説してみました~

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バードトレーニング

こんにちは、ぽんずです

鳥さんのことで悩みがあるなら、「行動学」で解決できるよ、とか、鳥に限らず動物界隈全体として、「行動学」という言葉がよく聞かれるようになったかなー、と思います。

知っていると鳥さんとぐっと暮らしやすくなるし、鳥さんともっと仲良くなれます!

そこで、今回はそんな「行動学」について、私がわかる範囲で解説していこうと思いまーす!

鳥さんともっと仲良くなるために ~「行動学」とは何か?について解説してみました~

「行動学」って、なんですか?

まず、ここで言う行動学とは、正式には「応用行動分析学」といいます
心理学の中の一つで、読んで字のごとく、「行動を分析する科学」と「行動分析学入門」の本にありました

ちなみに「動物行動学」という言葉を聞くことがありますが、こちらは「応用行動分析学」とはまた別の学問です
動物行動学とは、その名のとおり「動物の行動や習性を研究する学問」です。生物学の一つに当たるようです(wikiより)

応用行動分析学の理論は犬やイルカのトレーニングにも用いられたりしますし、最近では動物園の動物たちの環境エンリッチメントや動物福祉への考えから取り入れられているようです

さて、行動を分析するとはどういうことか。それがどうして鳥さんに関係あるのか。いろいろつながらないと思うので1つずつ説明していきますね。
今回は鳥さんに関係あるポイントだけを、わかりやすく簡単に解説していきます

まず、「応用行動分析学」って名前だけ聞くと、私たちの生活に全く関係ないものと思われると思います。ですが、実は私たちが自然にやってることなんです

行動分析学は、行動の問題を解決する(行動分析学入門より)

Free-PhotosによるPixabayからの画像

たとえば、あなたが仕事をしていて、ミスをしたとします

そのミスをどうしたら次しないかな、と考えると思います。
その時に、「前回はこれでミスしたから、次はこうしてみたらどうだろう」ってやり方を変えると思うんですね。
それって、分解すると

「行動を分析して」「条件や方法を変更することで」「問題を解決する」

となります

もっといろんな理論がありますが、行動分析学の基本はこんな感じです
意外とシンプルですよね

これを鳥さんに当てはめます

たとえば。

朝、餌入れを設置しようとケージに手を入れると噛まれる、とします

ケージに手を入れる→鳥さんがくる→手を噛まれる

「ケージに手を入れたら」「鳥さんがケージにいる」「手を噛まれた」

鳥さんがケージにいる時に手を入れるから、ここは私のナワバリ!といわんばかりに噛まれます。

では、「噛まれない」結果にするために、「鳥さんがケージにいない」にできればどうでしょうか

「ケージに手を入れる」→「鳥さんがケージにいない」、結果「手を噛まれない」

鳥さんがケージにいなくするためには、

・キャリーに入っててもらう
・放鳥してる隙、ケージの外でおやつを食べてる間に設置する

など、まず鳥さんがケージにいない環境を作れば安心して設置できます

条件や、やり方を変えるだけでなく、

・ケージの配置を変える(それにより鳥さんの動きも変化するはず)
(餌入れをセットしやすいように)ケージのレイアウトを変える

など、鳥さんの周りの環境を変えてみることでも鳥さんの動きを変化させることができます
(あくまで例なので、これで解決する場合もあればしない場合もあるでしょうが、あくまで一例です)

これがどういうことかというと、「鳥さんと人との”困った”を解決できる」わけです

環境を変える、または人間の行動を変える→問題が解決する

問題解決するために動物の行動を観察して、動物の行動理由(目的)を知り、きっかけを変える

この場合の鳥さんの行動理由は「自分がいるところ(ケージ)に手をいれて欲しくない」なので、「鳥さんがいるところに手を入れても噛まれない」にするには

●環境を変える→餌入れの置き場変更やケージの場所変更、ケージのレイアウト変更、鳥さんがケージにいない状態をつくる など

●アプローチを変える→手の角度を変える、手を出すスピードを変える、手を出す場所を変える、手を出す位置を変える

…結果、「鳥さんに手を噛まれずに済む」「鳥さんは嫌な思いをしなくて済む」になります

「応用行動分析学」のいいところは、人や動物に対して押しつけがましくなく、行動のみを分析し、条件や方法を変更することで問題を改善できる点です

何か問題があると、人は自分や相手の「心」に原因を求めてしまうけれど、行動分析学というのは「人および動物の行動を「行動随伴性」という独自の概念によって明らかにするもの(行動分析学入門より)

なので感情で考えるのではなく「行動」で考える。そのため相手に押しつけがましくなく、言葉が通じなくても適用でき、行動を変えることができるわけです

鳥さんに「罰」を与えるのは有効なのか?

Ralf KunzeによるPixabayからの画像

鳥さんが噛んだらケージに戻すとか、言うことを聞かないから睨むようにするといいとか、叱った方がいいとか、聞いたこともある方も多いと思います

それって果たして有効なんでしょうか。

ぽんず
ぽんず

実は私も以前やってました。噛まれて痛くて怒ったり、なかなかケージに戻らないから無理やり戻したり。
結果として何が起こったかというと。
もっとひどくなりました

もっと噛むし怒るし攻撃的になるし。いいこと一つもなかったです。もしかしたら経験ある方もいるかもしれませんね

「罰」を与えると、どうなる?

鳥さんに罰を与えたことでその行動をしなくなり、効いたように見えるかもしれません
しかしそれは一時的だったり、反対にその行動を増やしてしまうことにもつながることもあります

たとえば、鳥さんが噛んできたときの罰として「噛んだらケージに戻す」とします。

①ケージに戻されるのが楽しい!って鳥さんが思った場合。もっとかけて欲しいからもっと噛むようになります

②ケージに戻されても何も感じない(特にイヤじゃない)場合、現状は変わりません。その行動は起き続けるでしょう

③鳥さんがケージに戻されるのが嫌だな、と感じた場合。

また戻されるのが嫌だから、一時的にその行動をやめるでしょう。しかしその嫌なことをする飼い主さんへの信頼度は下がります→結果信頼崩壊につながります

結果、①②③どれにしても、鳥さんにして欲しくない行動は減らない、または増えることになります。

相手が嫌なことでないならば罰になりませんし、仮に効いたとしてもそれは一時的な効果しかないです。
鳥さんとの信頼関係を崩しますし、人に対して委縮してしまったり(学習性無力感)、恐怖や敵対心を抱くようになり攻撃的になる可能性があります

鳥さんが委縮してしまい無気力になった場合→罰が効果があったと認識してしまう
鳥さんが攻撃的になった→もっと言うことを聞かせないと

その結果、「罰が増えます」
増えるとどうなるか。もっと関係は悪くなるので更に攻撃的になりますよね。

それって負のスパイラルですよね
最終的には手に負えなくなって手放すしかないとなってしまうかも。。。。

何もいい方向に向かってないですよね
罰というのはいい方向に作用しないということがわかって頂けたでしょうか

ではどうすればいいのかは後述します

体罰はもっとダメ

体罰はもっとダメです

体罰を与えたことで、鳥さんが一時的に大人しくなり「効いてる!」って思うかもしれません。しかし鳥さんはその苦痛から逃れるために一時的に大人しくなったにすぎません

それが続くと徐々に「無気力」になっていきます。

自分がその苦痛から逃れるために行動をしても変化がない、どころか体罰を受ける。
すると人を嫌いになる、恐怖しかなくなる。
そして何をしても無駄なのだと思うと、人も鳥さんも同様ですが無気力(学習性無気力)になるそうです。
相当な絶望感を感じると思います

美味しいおやつを入れても無反応、好きなおもちゃを見せても無反応。。。
いいことがあっても、それに反応すると体罰を受けるんじゃないだろうか、そんな恐怖から何を見ても反応しなくなってしまうようになるかも…

私はこの話を最初に聞いた時に非常にショッキングで、そんな思いを自分の愛鳥にさせるまいと強く思ったものでした

「罰」を与えずに良好な関係を

鳥さんに罰を与えるのではなく、「人側が行動や環境を見直して変えてみる」「鳥さんに嫌なことをせずにこちらのして欲しいことを伝える」方が、お互いに幸せになれるし関係も良好になってwin-winの関係になれます

これです。罰を与えても意味がないことは先で解説しました

ではどうすればいいのかというと、「人を変えるにはまず自分から」と言いますが、「鳥さんを変えたいならまず飼い主(人側)から」、です

突然ですが、私の話をさせてください
自分と同じように鳥さんとのコミュニケーションや問題行動(噛みつきなど)に悩む人がいればお力になろうと、Twitterの飼育アカウントの方でいろんな飼い主さんを見てきました

しかし。自分と同じように困ってる飼い主さんは少なくて
その反対に鳥さんと良好な関係を築いてる飼い主さんが多かったです
実のところ不思議なものを見る目でいました(笑)

それってなぜかなーと思ったら、

「鳥さんに嫌なことをしない」んですよ。

「鳥さんに嫌なことをしない」→「嫌なことがないから人に対して攻撃的になったりする必要がない」→「結果鳥さんも人に嫌なことをしない」→「関係が良好になる」→「いいことしかない」

ぽんず
ぽんず

実のところ、もちろん鳥さんとの関係で困っている飼い主さんもいたにはいたんですけど。初めて飼う人の方が不思議なことに「困ってます」という方は少なかったです
困ってますという飼い主さんにも、ボディサインをよく見て、解決法を試してみて、とお伝えしたらすぐ実践してくれて、関係改善が早かった印象でした

は?って思った人もいるかもしれませんが、まじです。しかもそっちの方が早く悩みが解決するんですよ

鳥さんと良好な関係を築くための方法を、次の項目で解説していきたいと思います

「正の強化」(ポジティブレインフォースメント)ってなんですか?

正の強化という新しい言葉が出てきました。これも「応用行動分析学」の一つです

「行動の直後の状況の変化によって行動の回数が増えることを、専門用語では「強化」という。

強化とは、文字通り、行動が強くなること、つまり、行動が繰り返し起こり、行動の回数が増えていくことを意味する

集英社新書 行動分析学入門 P46 より引用

正の強化というのは、「自分に望ましい結果が起きた時、行動の頻度が増える」ことを指します

よく「子どもは褒めて伸ばす」とかそういう言葉が聞かれるようになってきたと思いますが、動物も「褒めて伸ばす」のが有効と言われています

人も鳥さんも、行動の直後に「いいこと、嬉しいこと」があれば「またそれをしたいな」と思いますよね。
同じ行動をする回数が増えたら、それは「強化」されていると言えるわけです

先にも書きましたが望ましくない行動をしたときに罰(よくないこと)が起きる方法は、鳥さんにいい影響を与えません。
一時はよかったとしても、むしろ逆効果になってしまったりその後に悪影響です

反対に望ましい行動をしたときに褒めたりご褒美(いいこと)をあげた方が、よりその行動が増えていきます

こちらが望ましいと思うこと(手に乗ってくれた、静かでいてくれた、おもちゃで遊べた、お留守番できた、などなど。些細なことでもなんでもいいです)を鳥さんがしてくれたら、たくさん褒めましょう

褒めることで注目をしてもらえて、鳥さんもとても嬉しいと思います。褒めてもらうためにもっといろんなことをしようと、きっと思ってもらえるはずです

強化するって、どんないいことがありますか

まず、自信がつきます。これは人も鳥さんも同じ。

たとえば、手に乗ることを強化するとします。手が怖くて乗れない鳥さんだったとして、手に近づくとおやつがもらえるとします。

おやつ、というのはわかりやすい「メリット、いいこと」です。もちろんおやつじゃなくて褒めてもらえる、カキカキしてもらえる等でもいいです。

とにかくその鳥さんにとって「いいこと」が起きるのが重要です(行動の直後にいいことがないとその行動は強化されません)

いいことがあった→またやってみたいと思う→手に近づく→おやつがもらえた→いいことがあった→また近づこう!→おやつ→… 
とやっていくと、どんどん手に近づく時間が短くなると思うんです

ちょうど上の写真のような感じですね。フィンチさんたち可愛かったなー

これは自信がついてきてる状態です。自信がついてくると、だんだん大胆になっていきます。
最初は手に近づくだけだったのに、徐々に手に乗っておやつを食べれるようになっていきます。
次は手にいる時間が伸びます。
すると徐々に「人のそばにいるといいことがある!」と思うようになり、飼い主さんの褒め言葉で手に乗ってくれるようになります

この時、鳥さんにとって嫌なこと、怖いことがあると行動に対して大きなマイナスになります。いきなり手が動くとか、掴もうとするとか。

反対に嫌なことが起きなければ、鳥さんは安心してどんどん自信をつけてこちらが望む行動を引き出すことができます。
嫌なことがないので、手が好きになってくれるし、ひいては人のことも好きになってくれます。よきスパイラルに入るわけですね

するとどんどんいいことが起きます。どんどん鳥さんと仲良くなってどんどん楽しくなっていきますよ

この動画はコンゴウインコが人なれトレーニングをしてる動画です。どんどん自信がついていってる様子、わかりますでしょうか。
自分で何かを「できた」というのはこんなにも鳥さんを変えてくれるのだと感動しました

動画の最初、手を近づけてますが、鳥さんが後ずさりしてるのわかりますか?あれは怖い、嫌、のサインです。最初の動きはよくないお手本ですね。
ここで更に手を出すと、鳥さんは人の手を噛むことを学習してしまいます(嫌なものを遠ざけるのに噛むことが良い、と思ってしまうのです)

そのあとは鳥さんの動きをよく見て、「鳥さん自身」から近づいて来てくれるのを待っています。自発的な行動を引き出しているのです。
自発的な行動→自信につながります

そうして徐々に自信がついてきている様子がわかりますでしょうか?


石綿美香先生がこの動画の日本語訳をしてくれていますので、合わせて見るといろいろわかりやすいと思います(そちらにも動画のリンクがあります)リンクはこちら

望ましくない行動にはノーリアクション、果たして本当にいいのか

以前は望ましくない行動にはノーリアクションと言われていましたが、果たして本当にいいのでしょうか

よく言われる「呼び鳴きにはノーリアクション」。こちらを例に考えてみましょう
反応しない→その行動を「強化しない」ことで消去したいとした場合に。

人側が「鳥さんが人を呼ぶ」行動をなくしたいと思って、鳥さんに呼ばれてもノーリアクションをするようになったらどうでしょうか?

聞こえてないのかな?って「大声で呼ぶ」と思うんです。

それでも「呼ぶ」行動をなくしたいと思ってノーリアクションでいたら

相手はもっともっと大きな声で呼ぶかもしれない、そして次第に「この行動は無駄なんだ」と感じます。
呼ばれてた側は「やっと諦めた」と思うかもしれませんが、相手からしたら無気力感や絶望感を感じているかもしれません

鳥さんからしたらいつまで呼んでも飼い主さん来てくれない。要求が通らない
要求が通らないのってものすごい不安やストレスを感じませんか?

これって本当にいい方法なのでしょうか?

ノーリアクションよりも、「これならOK」をこちらから提案した方が効果的

相手が現在行っている、またはできる行動から代替案を考えて提案するのがオススメです

・呼ばれたら返事する
・呼ばなくていい状況を作るようにする(離れていても姿が見えるようにケージの位置を変える、など)
・この音量ならいいよというのを教える(特定の音量の時のみ反応する)
・呼ぶ時の共通の合図を作る(ベルを鳴らす、特定の鳴き声やおしゃべり、ケージの金網をバインと弾いたら、など)

という風に相手の行動を否定せずに「代替案を提案する」

鳥さんが呼び鳴きをするのは姿が見えなくなって不安だからなので、返事をしないのはそもそもが逆効果なんです

なので返事をしてあげることは大事です。
大きな声で鳴かれると困るという場合には、「このくらいの音量ならOKだよ」を人側から鳥さんに教えると、お互いに快適に過ごすことができますね

ほかに「呼ぶ時の共通の合図を作る」ことも有効です。
共通の合図の方が自分の望む結果が得られる(この場合は人が来てくれる)となれば、呼び鳴きという方法で人を呼ぶことは減っていきます。

人が来てくれる割合が 呼び鳴き<共通の合図 となれば、呼び鳴きした方が効果が低いのでその行動は減っていきます

合図づくりについてはこちらの記事で解説していますのでどうぞ

「バードトレーニング」ってなんですか?

「バードトレーニング」とは、先に書いた「正の強化」の理論で、鳥さんとゲームをする遊びのことを指します。
その遊びを通して、鳥さんにこちらが望ましいと思う行動を強化していくこと全般を、「バードトレーニング」と言います

「クリッカー」という道具を用いて鳥さんに正解の行動を伝えていくので、「クリッカートレーニング」と言った方が馴染みがある方も多いでしょう
ここでは「バードトレーニング」と記載していきます

略して「トレーニング」と言われることが多いですが(それでもあまり略せてないけど)、
このトレーニングという言葉が指す意味がとても広いです

「トレーニング」という言葉は何を指すのか

ではその「トレーニング」って、具体的に何をするのでしょうか

「最終目的に至るまでの段階を細分化し、それを鳥さんに段階を踏んで教えていく。
この時クリッカーを使ったクリッカートレーニングをすることもあるが、クリッカーを使わずに進めていく場合もある」

…といったところでしょうか

ちょっとわかりにくい説明になりました。まず、クリッカーを使わずに進めていくトレーニングとしては、たとえばキャリーケージに慣れて欲しい場合の教え方ですが

キャリーに鳥さんが自発的に入れるようにするトレーニング
  • キャリーケージをまずは放鳥中の遊び場にして見慣れてもらう。おもちゃを設置したり一緒に遊ぶといいです
  • 次に好物のおやつ(粟穂など)を中にモリモリ入れて、見せる(最初はおやつ多めに。好きなものがあるなら入ろうって思ってもらう)
  • そこに入ってくれたら褒める!おやつも食べられたらもっと褒める!(まだ扉は閉めない)鳥さんから「自発的に」行動を起こしたことがとても大事!
  • 何回か繰り返し、自分から安心して中でおやつを食べられるようになったら扉を閉めてみる(ここまでくるのに数日かかると思います)
  • 最初なのですぐ扉を開ける→ご褒美
  • また入ったら扉を閉めて、次は少し長めに閉めてみる(30秒くらい)→この時ケージ越しにおやつをあげるのもあり
  • 扉を開けて、鳥さんを褒める、とっておきのご褒美をあげる…
  • と繰り返して、自分から自信を持って入ってくれるようになったらOK!

…になります

次にクリッカーを使って教えていくトレーニングについては、クリッカーという道具の音とご褒美が結びついているならば、なんにでも応用できます
キャリーに入ってもらうトレーニングもクリッカーを使って教えることは可能です

クリッカーを使って教えるトレーニングとして有名なのは、やはり鳥さんが「芸」のようなものをして遊んでいる光景だと思います。
あれは遊びを通して鳥さんと人側とがコミュニケーションを取るためにやっている部分が大きいです

ほかに鳥さんのボディチェックがストレスを少なく行えるようにしたり(たとえば握手を教えると、足にタッチできる→足の異常をチェックできる)、病院で治療をする際にもストレスが少なく治療できるようにする等の意味合いもあります

どちらの「トレーニング」にしても、「最終目的に至るまでの段階を細分化し、それを鳥さんに段階を踏んで教えていく」ことになります

無理のない範囲から、少しずつ行動を教えていく

例に挙げた、鳥さんが自発的にキャリーに入れるようになるトレーニングも、だいぶ細分化して教えていることがわかると思います

こうして少しずつ鳥さんの成功体験を増やしていき、最終的に望ましいと思う行動につなげていくことが「正の強化」による「トレーニング」になります

この教えていく段階を考え、教えていくのは、飼い主でありトレーナーでもある、飼い主さんの役目になります(汗)なので、、、、実は意外と大変なんですよね(;´∀`)

バードトレーニングは鳥さんの問題行動の解決につながりますか?

バードトレーニングと問題行動の解決が、どうにもつながらないという人も多いと思います。私も最初はわかりませんでした(本当)

実際には問題行動の解決には、

  • 応用行動分析学の考えを用いて、常に自分の対応のしかたが鳥さんに快適かを意識し対応する
  • ボディサインを読み、嫌なことはしない
  • トレーニングを通して楽しい時間を重ねることでコミュニケーションを取り関係を深める

この3つが非常に大事です。
突然ボディサインという言葉が出てきましたが、鳥さんが出している「嫌だよ」というボディランゲージをしっかり読み取って、嫌と言ってる時には手をひっこめる、嫌なことをしないことが大事です

鳥さんが問題行動を起こすのには必ず理由があります。その理由をまず考えてできる限り改善する必要があります

ですが、飼い主さんが良かれと思ってやってることが、反対に鳥さんにとっては嫌なことだった、ということもあります。
それによって問題行動が引き起こされていることもあるのです

たとえば、

・鳥さんが怒っているのにその怒ってる様子をかわいい!といって鳥さんの気持ちを無視してしまう

・鳥さんの気持ちを考えずに無理にカキカキする、触ろうとする、掴もうとする

・鳥さんの前に手を出したら、鳥さんが嫌だよ、というボディサイン(後ずさり、クチバシを開けて威嚇など)を出しているのに無視して手を近づける(→結果噛まれる)

ちょっとしたこと、と思うかもしれませんが、鳥さんにとったら大問題なわけです。
鳥さんの気持ちを汲んで、人の行動を含む周りの環境を見直してみる、改善してみるというのは非常に大切です

次に、トレーニングも問題行動の解決に役立ちます

トレーニングで鳥さんに行動を伝える時に、鳥さんの動きをよく見てないと正解の行動が出た時にクリックして「それ正解だよ!」と伝えられないですよね
なので鳥さんの動きをよく見るようになるので、ボディサインに気付きやすくなります

お互いに成功体験を重ねることで、鳥さんに自信がついていき信頼関係も深まります

その結果。

鳥さんが嫌と感じる事柄がなくなる→安心を得る→さらに嬉しい事が増える→楽しい!信頼関係が深まる
結果、問題行動がなくなる

…といった感じです

実際、ターゲットタッチトレーニングで鳥さんとの関係を改善しよう、という記事を書いたら。
鳥さんとターゲットタッチに挑戦して、結果噛みつき改善できました!というお声をちらほらいただいております。

これは上に書いた3つをしっかり飼い主さんが守って、改善してくれたからこの結果につながっているのだと思っています

応用行動分析学を学べる場所はありますか?

以前はことりカフェでセミナー開催してました

鳥さん用の応用行動分析学の話としては、ALETTAの石綿美香先生が行っているセミナーがあります。そちらに参加することで学ぶことができますよ

対面もありますが、zoomを使ったオンラインでのセミナーもあります
オンラインのセミナーはスマホかパソコンがあれば参加可能です

セミナーは座学とトレーニングクラスと2つあります

座学の方では応用行動分析学の理論を使った鳥さんとより幸せに暮らしていける方法や、鳥さんと暮らす上でよくある困ったことへの解決法、鳥さんへのトレーニングの教え方などを解説されています
非常にわかりやすく教えてくれるので、初めての方でもわかりやすいです

トレーニングクラスの方は、クリッカーを使ったトレーニングによって、鳥さんといろんなトレーニング(遊び)をしたりしています
トレーニングの理論や教え方を解説したり、どう教えていいかわからないゲーム(輪投げ等)の場合は教え方をアドバイスしてくれたりしています

セミナー開催のお知らせはTwitter他各SNSでされていると思いますので、そちらをチェックしてみてください。
行動学がわかるともっともっと鳥さんと一緒に暮らすのが楽しくなります。是非セミナー受けてみてくださいね

サイトの方にはトレーニングの動画や応用行動分析学の海外の記事の翻訳ページなどもあり、なかなか濃い内容になっていますので是非そちらもチェックしてみるといいですよ

ほかにも学べる場所はあります。ほかにも鳥さんの応用行動分析学の理論を教えている方はいらっしゃいますので探してみてください(でもオススメは石綿先生だよ…贔屓とかではなく)

他に犬猫用の応用行動分析学を教えているセミナーもあります。
基本の理論は同じなので内容は共通ですが(これは人も動物もそう)、例が犬猫での話なのでそれを鳥に変換する必要があり。少しわかりにくいかも…

他にALETTAのバードトレーニングインストラクターのクロース真桜さんも教えていますのでそちらもあわせてどうぞ(実はこの記事も監修していただいたり、大変お世話になっています)

オススメの書籍紹介

本には問題行動の解決のしかたや、鳥さんに対してどういったアプローチ方法によって解決に導いたかの過程についても記載がありますので非常に勉強になります。
二冊とも読まれることをオススメします

応用行動分析学ってなんぞ?が知りたい方には「行動分析学入門」の本がオススメです。
セミナーに出ていてたまに聞くワードの意味がわからなくて、「?」となっていましたが、こちらの本に書いてありました。
あと、今回こちらの記事を書くにあたって参考した一冊です

同じく応用行動分析学について解説された本。この本は結構古いのですが、なかなか面白いのでオススメです。行動を分析して改善する、その改善方法の具体的な例がいろいろ載っていて参考になります。イルカの絵が描いてありますがイルカのトレーニングも正の強化を用いたものです

本の内容の多くは人間の行動を例に挙げて解説しています

私はたまに内容を思い出したりします。目の前のことがうまくいかなくてそれを捨てて無くしてしまいたくなる時、「あ、これ抹殺法だな」とか 笑

正直な話、本を読んでもあまりわからないと思います。私もわかりませんでしたし
ある程度セミナーなどで情報を得てから読むと、なんとなく理解できると思います

応用行動分析学や(クリッカー)トレーニングというのは日々進歩しているので、情報が徐々にアップデートされています。数年前に知った、または習った情報からまた更に進歩したりしています

そのため本にまとめた頃には情報が古くなっている、なんてこともあり…(これは私が感じた主観ですが)
最新の情報を知りたいならばセミナーで人から教わるという方法になります

まとめ

(鳥さんの)行動学というのは
  • 行動学とは「応用行動分析学」のこと
  • 問題解決するために鳥さんの行動を観察して、鳥さんの行動理由(目的)を知り、きっかけを変える(行動、環境改善)
  • 罰を与えるのは逆効果。いいことない
  • 正の強化の理論で鳥さんにたくさんの安心と自信を
  • トレーニングとは 正の強化の理論を用いて鳥さんとコミュニケーションをとったり信頼を築いたりできる
  • 鳥さんが人とよりよく暮らしていくためのルールを遊びを通して伝えていく
  • トレーニングで問題行動の解決、改善ができる
  • 鳥さんのボディサイン(ボディランゲージ)を読むことで信頼を深める

理論は分かったけど、具体的にどうやるの?と思われた方。
是非鳥さんの行動学やトレーニングのセミナーに参加してみてください

こちらを読んだだけでは理解することは難しいです。
具体例をたくさん聞くことで、深く理解ができ鳥さんにもフィードバックすることができますよ

おわりに

大変長くなりましたが、いかがでしたでしょうか。行動学、という言葉の指す意味が少しでもわかってただけたでしょうか

ここに解説したのもごく一部であり、「行動」をとりまく理論はもっと多数あるのですが。
鳥さんのことで主に使うのは正の強化と行動を分析して改善することの2つになります

私なんぞが解説するのもおこがましいと思ってるんですけど。

行動学ってなんだかよくわからないから、知らなくていいと思っている方を少しでも減らせたらいいなと思って今回解説させていただきました

正の強化を知っているだけで、鳥さんともっと仲良くなれるし、知らずに鳥さんに嫌なことをしていた、なんてことも減るし、鳥さんは自信がついて生き生きしてくるし、どんどん新しいことも怖くなくなっていくし、本当にいいことづくめなんです

それを知らないで鳥さんとの関係を悪化させたりしていたら、非常に勿体ない。

鳥さんと人とが幸せに暮らすために、ちょっとでもいいから正の強化を知って欲しい。
実際に今、私がとてもハッピーだから。

そんなわけで、少しでも行動学に興味を持ってもらえましたら、大変嬉しいです
読んでいただき、ありがとうございました

ほかにも鳥さんの「困った」の解決法についていろいろ解説しております。
噛みつきや呼び鳴きについても、もっと深く解説した記事がありますのでお悩みの方は是非そちらもどうぞ。鳥さんと楽しむバードトレーニングについて解説もしております

参考文献
・行動分析学入門
・漫画で楽しむ インコと飼い主さんの事件簿: トラブル事例から予防、回避術 満載…等

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