こんにちは!ぽんずです
今回はヒナのさし餌について。お迎えする前に知りたい、知っておきたい情報をこれでもかと詰め込みました!
ここからはさし餌経験の多い鳥友さんからご提供いただいた情報を元に、解説していきますね(私はさし餌未経験のため)
らんまるさーん、よろしくお願いいたします!
※今回のさし餌のやり方の解説は、主にインコさん用です
フィンチさん(文鳥など)はまた少しやり方が違うので、別のサイトを参考にしててください。申し訳ありません…
さし餌のヒナをお迎えする前に知って欲しいこと、考えたいことなどはこちらにまとめましたので、是非こちらもお読みください
インコの雛のさし餌について
はじめに(免責事項)
この記事の内容はいくつかの飼育本及び専門書、及びペットショップでの5年間の経験などをもとに、あくまでも「一個人の意見」としてまとめたものとなっております。
適正飼育といわれる飼育方法には「間違い」はあっても「正解」はありません。
そのため、以下の飼育方法と同じやり方でなくても必要なことを守っていれば「間違い」ではありませんし、同じ方法を強制するものでもありません。
守っておいたほうがいいことは赤字で記載させていただきました。
ヒナをお迎えする前に知っておきたいこと
お迎え前に一度お迎えした時のことをシミュレーションしてみること推奨
ヒナは、人間でいう「赤ちゃん」です
赤ちゃんをお迎えするということは、温度湿度、ごはんの管理、すべてに気を使わなければなりません。特にまだ弱いですから少しでも手を抜くとすぐ具合が悪くなるし病気にもなりやすい時期です
ですから最初にお迎えした時のことをシミュレーションしてみることを推奨します
プラケ内の環境は30℃前後(28~32℃程度)にします
羽を広げてワキワキするしぐさ(暑い)や、ヒーター側に寄っていきそこから動かない(寒い)などがないか様子を見ながら、その子やその日の体調に合わせた温度を心掛ける。
お迎え初日など適温がわからないうちは、
お迎えしたショップのケージ内温度に合わせるorとりあえず30℃にして様子見
のどちらかにするのがよいでしょう
さし餌も一度作ってみること、ケージ内の温度もちゃんと30度をキープできてるかを確認してから、鳥さんをお迎えに行ってね
ボクたち、まだ身体がしっかりしてないから、少しでも寒いと体調を崩したり風邪をひいちゃうんだ。場合によっては命に関わるから、必ずできるか試しからにしてね
さし餌も、先にショップで使ってる用品、パウダーフードの説明を受けてから、できるならば家で一度試しで作った上でお迎えした方がスムーズでは?と思います
ヒナに必要な用品は全部揃えて、もう家で完璧にお世話できる状態になってからお迎えしてくださいね。あと何かあった時にすぐ対応できるように、病院も何件か目星をつけておいてください
こちらの記事もあわせてどうぞ
ヒナをお迎えするのにオススメのケース
㈱三晃商会 パーテーションケース中~大
㈱三晃商会 ルーミィベーシック/パーテーション(別売り)
おすすめポイントはパーテーションがあるところ。
パーテーションケースではパーテーションが付属で安価なところがオススメ。
小型の鳥さんには特にオススメのケースです
ルーミィはパーテーションが別売りで比較的高価だが、全面、上部、中段と開けられるところが多く、スペースも広い。
全面を使うならば小型の鳥さんより中型の鳥さんにオススメです
パーテーションタイプは上のように比較的省スペースで簡単に簡易温室を作れるのでオススメ
温度湿度計は、最高最低温度湿度が記録できるものがオススメです
ヒーターはパーテーションではなくケース本体側にかけるが、暖まらなければパーテーション側でも試す。
ただ、金網タイプではない(暖まりにくい)物で空気穴があれば基本的にどんなものであってもいい。
一般的なプラケース(写真1枚目みたいなやつ)が一番使いやすいと思う。
ケースは広くなくてもよい。ヒナは普通、食べて寝てを繰り返すので運動過剰もよくないので、広さよりも温度の維持を優先する。
ヒナの保温器具、使い方について
基本的には保温電球タイプ、パネルヒータータイプ、暖突の3種類から選びます
保温電球
メリット:成鳥になってからも使える、サーモスタット併用で細かく温度調節ができる(暑くなりすぎない)、空気全体を暖めることができます
デメリット:高価、サーモスタットは別売り、使い方を誤ると危険な場合もあります
サーモスタット
保温電球を使用するなら必ずセットで。保温電球単体だと、温度調節機能がないため温度があがりすぎて危険です。かならずコンセントをサーモスタットに接続して使用しましょう
使い方について詳しくはサーモスタットの説明書と、あと保温について解説した記事をどうぞ
パネルウォーマー
メリット:温度調節ができる、ヒナに直接触れないので事故の心配は少ない
デメリット:ケースの中に入れて使うことができないので目標温度に達しない可能性がある、空気全体を暖めることができない
熱いかもしれないので、様子を見て温度調節したり、何か(布など)間に挟んで熱くなりすぎないように注意しましょう
パネルヒーター(上記に紹介した商品と同じと思われる)
メリット:ケースの中に入れても安全
デメリット:商品によっては表裏で中低温と高温の調節はできるが細かく調節できない
暖突
メリット/デメリット:使用したことがないので不明
プラケースやケージの上部につけて使用するようだが、それ以上は不明のため、暖突を使うならばあらかじめ使用方法を検索してみてください
・保温室のつくり方
暖まらないようならエアコンとの併用を推奨。保温ケースだけで温度をキープするのは難しい時期や地域もありますので、エアコンとの併用をオススメいたします
パターン① パーテーションがあるケースで保温電球を使う場合
ヒーターはパーテーションではなくケース本体側にかけるが、暖まらなければパーテーション側でも試す。
サーモスタットセンサー、温度計はヒーターから離れた位置に置く。
サーモスタットの不具合などに備えて温度計は必ず置く。
パターン② パーテーションがないケースで保温電球を使う場合
ヒーターはブックエンドに掛ける。サーモスタットセンター、温度計はヒーターから離れた位置に置く。
「温室」を作るために段ボールや衣装ケースなどで囲う(空気の通り道として前面や上面などいずれか1面は開けるor空気穴をしっかり作る)
パターン③ パネルヒーターを使う場合
温度計は必要だがサーモスタットは不要。パネルヒーターは底に1枚or底と壁面に2枚(30℃前後がキープできていればよい)設置する。
パネルヒーターは空気自体を暖めにくいので、空気穴以外密閉の空間を作っても季節によってはパワー不足なので暖かい季節や地方でなければ基本的にお勧めしない。
もしくはエアコンと併用を。
ヒナのさし餌について
さし餌にはパウダーフード、またはフォーミュラがオススメ
さし餌は基本的にパウダーフードをスプーンで与えましょう
さし餌にはパウダーフード以外に粟玉を混ぜることがあるが、パウダーフードメインが望ましい。というか昨今は栄養を考えて粟玉ではなくパウダーフードオンリーでいいと言われています。
そこに小松菜などの野菜を混ぜるのはありかもしれないけど、粟玉は混ぜなくていいです
さし餌の与えかた
ヒナが自分でエサを飲み込むことを覚えさせるため、口元に持っていき自分で食べるように促します
(もちろん衰弱したヒナの強制給餌は別だが、誤嚥のリスクも高く専用器具も必要なので獣医師に任せる)。
さし餌も味や硬さが変わると食べなくなる、消化ができなくなる可能性があるので必ず同じ商品、同じ硬さを教えてもらい、それを守る。
さし餌の硬さは成長に合わせて少しずつ硬く(水分を少なく)していく。水分が多すぎると水中毒のリスクもある。
水中毒は人間でも死亡のおそれがある恐ろしい中毒です。鳥さんがぐったりしてるなど様子がおかしいな?と思ったらすぐに病院へ!
命に関わります!
ほとんどのパウダーフードのパッケージに硬さの目安の記載はあるが、イースター株式会社、鳥専門店とりっぴーのyou tube動画もオススメ。
見た感じだとイースターの動画の硬さは比較的幼いヒナ、とりっぴーの動画は巣立ち間近のヒナの硬さ。
さし餌の温度について
フォーミュラを溶かすときの温度は50℃~60℃前後(商品の説明通りの温度で溶かしてください)
そこから湯煎しながら40~43℃程度(少しぬるめ~普段のお風呂くらい)までかき混ぜながら冷まして与える(鳥さんの体温くらい)
与える間にどんどん冷めていかないように熱めのお湯を張ったお皿などの中でエサ皿を湯煎して挿餌の温度を保つこと
初めに40℃前後で溶かすとかき混ぜている間に冷めていくので、初めは60℃程度がでつくるといいが、それ以上熱くなると栄養分が壊れていくので注意
与える前に一度自分の手の甲などに垂らしてみて熱くないか必ず確認する。
さし餌の温度を確認するために、クッキングで使用するデジタル温度計を必ず用意し、温度を確認しながら与えるといいです
さし餌が熱すぎる時は首を横に振ってさし餌をまき散らす、冷たすぎるときは食べたがらない、消化不良などがみられるので、ヒナの様子を確認しながら与える。
食べないなーって思ったら、おなかがいっぱいになったのか、冷めておいしくなくなったからなのか、よく注意して見てあげてください
挿餌の温度十分注意をして!熱すぎてもボクたち「そのう」火傷して大けがしてしまうし、冷めててもおいしくないから食べないよ!
たまにボクの仲間がそのうを火傷してそのままお空に旅立ってしまう事故も見るから、必ず手の甲に垂らして確認してね
個体によって熱めが好き、ぬるめが好きとか好みがある場合もあるみたいです。
ショップの店員さんやブリーダーさんに、あらかじめやり方や温度を聞いて、わからなかったらまた聞きに行ってくださいね
異変を感じたらすぐに病院へ!
さし餌の回数について
完全人工育雛でない場合、最低でも生後3週程度までは親鳥が育てるのがよい。
小型インコでは3週目程度からは1日4回程度のさし餌になる。
早朝(6~8時までくらい)を1回目として、
そのう内に餌が残っている状態でさし餌を与えるとそのう炎のリスクが上がるので、必ずほとんど残っていない、或いは空の状態で与える と以前は言われていましたが、
そのう内に餌が残っている状態でさし餌を与える
というのが最近では正しといと言われているようです。親鳥がヒナに挿餌を与える時も、必ずそのうを空にしないように与えるそうです
この情報はグラフィック社 海老沢和荘著「鳥のお医者さんのためになるつぶやき集」P31 に掲載されています
もし未消化の餌が長時間残ることがあれば、40℃程度のお湯を少量飲ませてそのうの辺りをやさしく揉み、消化を促す。
3週目以降のさし餌の期間は鳥種や個体によって異なる。
ひとり餌への移行について
上の表くらいの頃になると少しずつ床をついばむ動作やはばたく動作がみられるようになる。
この行動が見られるようになったら床に撒き餌をして、実際に食べているかどうか様子見をする。
まき餌をするときに、一緒にペレットも床に撒こう。
パウダーフードを食べて育った子なら、味も慣れているからすんなり食べてくれる子も多いはず。
他に粟穂を置いておくのもオススメだよ
粟穂をあげてしまうとシードの方が美味しい!となってしまう場合があるのであげるとしてもほどほどに…
ペレットは、ヒナ換羽まではタンパク質を多く必要としますので(羽はタンパク質からできています)、高たんぱくのペレットをオススメします(ぽんず)
オススメはハリソンのハイポテンシーです。ヒナ換羽が終わったらハイポテンシーからアダルトライフタイムに切り替えます
食べないようなら無理にハイポテンシーやブリーダー用のペレットにこだわらず、普通のペレットで大丈夫です
他にも数種類のペレットを混ぜて与えるといいでしょう
まずは好きなペレットはどれか探してあげてください。
ハイポテンシータイプは食べてくれたら安心、くらいに考えてまずは好きなペレットを探してみてくださいね
ペレットについての詳しい説明はこちら
初めは遊び食いをしたりして、撒き餌を食べている動作をしていても食べていないことも多いので、そ嚢のふくらみや体重を確認しながら徐々に回数を減らしていきます
大体4日~1週間程度くらい?
個体差大だけど撒き餌開始から1~2週間以内にほとんどの子はエサの面は独り立ちが完了する印象
ほかにもいろんなものを与えてください
人間の子どもと一緒で、幼少期にいろんなことを体験させておくのが非常に大事です。怖がりでなく好奇心旺盛な子にするためにもさまざまな経験をさせましょう
まず野菜。
小松菜以外にもサラダ菜、きゅうり、にんじん(すりおろすとよい)、豆苗などさまざまな野菜をあげてください。サラダ風にいろいろ混ぜてあげてみるといいです
シードもいろんな種類をあげるといいです。ただ、ひまわりの種、サフラワー等の高脂質のシードはたくさんをずっとあげていると病気になる確率が上がると言われています
あげるなら少量をおやつ程度に留めましょう
あげるなら黒瀬さんのマニアをオススメしています。いろいろ入っているので最初にぴったり。中型インコ用はひま種等が入ってるので不要な場合はセキセイインコ用でOKです
(入ってる内容物も中型用とほとんど変わりません)
詳しくはこちらをどうぞ
塩土は不要です
よく塩土をあげている方がいますが、今は塩土は不要と言われています。むしろ鳥さんが食べすぎてグリッドインパクションが心配と言われていますので、あげなくて大丈夫です
ミネラルやグリッド(鳥さんの異の中で食べ物をすりつぶすのに使う石のようなもの)はボレー粉で事足りるそうです
ちなみにペレットメインならはボレー粉もビタミン剤も不要です
ひとり餌になると体重が減ります
ひとり餌になるとさし餌していた頃は60gくらいあった体重が、40gくらいまで減ったりします(体重はあくまで一例です。鳥種によっても違います)
これは、ヒナの頃は栄養が必要なので栄養を吸収するためにたくさん食べていたものが、一人餌=巣立ちの頃ですから飛ぶために体重を減らすのです
ですから体重が減るのはおかしいことではないですが、
朝晩体重を測って夜のが減っているようならさし餌をして体重を維持してください。自分でうまく食べられてない可能性が高いです
朝晩の体重が変わらない、または晩のが増えていればさし餌は行わず様子を見てあげてください(夜のが増えていないと朝の溜めフンが大きいので、結果体重が減少します)
ひとり餌に切り替わった後もしばらくは体重の増減やそ嚢の様子の確認は注意深く続けましょう(飼い主が油断するのかこの時期の落鳥も多いような)。
ひとり餌に切り替わった子は、運動を始めるのでさし餌をあげていた頃より体重が減ります
ですがあまりに減るなら病院に相談に行った方がいいでしょう
もしこの頃に切り替えが上手くいかなくても焦りは禁物
必ずひとり餌に切り替わりますので、焦らず移行すれば大丈夫
ショップ産の子の場合、ほとんどは「目安」の週齢なので、実際はその週齢に達していない可能性もあるし、たまたまのんびり屋さんの可能性も。
ただ、ついばむ動作や羽ばたきがみられてからある程度経ってもさし餌が切れない場合は獣医師に相談する。
(明確な基準があるわけではないし、不安なら早ければ早いほどいいと思う)
あまりに食べていないようなら病院で相談を。
この相談先としてペットショップは実際にその子の現状を専門的な知識の元見るわけではないので不適切(体の成長に問題がある可能性がある)。
ひとり餌に切り替わったら次はケージデビュー
ケージデビューの話をまとめましたのでこちらもよければ参考にどうぞ
一人餌になったら次は「学習期」にはいります。学習期に大事なことも一緒に書きましたので合わせて是非お読みくださね(/・ω・)/
さし餌のヒナをお迎えするには(最後に)
確かに、現状鳥さんのヒナは販売されていますし、育ててみたいと思う気持ちももちろん間違いではありません。
しかしながら、今回こちらの記事を読んでくださったさし餌の経験がない方は「難しそう…」と感じたと思います。
実際難しいです。
ヒナはひとり餌になってしばらく経った若鳥以降の鳥さんと比べてとても弱い生き物です。
自分で体温を調節することもできないので、飼い主が徹底して温度管理をしなければなりませんし、ご飯を自分で食べることもできません。
これらのやり方を間違えてしまったり、怠ったりするだけで簡単に死んでしまうほど弱い生き物です。
「鳥さんはヒナから育てなければ懐かない」ともよく言われますが、そんなことはありません。結局は飼い主さんの関わり方やその環境、その子の性格次第です
らんまるさん、ありがとうございました!
ひとり餌になったヒナに必要なもの
必要なものについてはこちらにまとめておりますので、よければご覧くださいませ
まとめ
いかがでしたでしょうか。ヒナでのお迎えの難しさ、なんとなくわかっていただけたでしょうか?
私は、できるならば一人餌になる直前、または一人餌になったくらいの子をお迎えするのが一番望ましいと思っています
ヒナはたしかに可愛いです。ですがその分育てるのも難しいです。
今回、ご協力いただいたらんまるさんと、私と同じこと書いてる箇所が何か所かありましたが、2人とも同じ部分で心配していたり、古い間違った知識を払拭したいという思いがあります
何度も言いますが、決してヒナからでないと仲良くなれない、懐かないなんてことはありません。
大きくなっている鳥さんの方が丈夫ですし保温もそこまで気にしなくていいという点もあります
ただ、仲良くなるのにその子のペースもありますから、歩み寄りが難しい場合もありますが時間をかければしっかりこちらの気持ちに応えてくれるようになります
これは、ヒナであっても同様です。きちんとその子の個性や気持ちを尊重し、しっかり向き合えば必ず心を開いてくれるでしょう
私だって、今までお迎えしてきた子たちとはそうして仲良くなっていったのですから。
仲良くなるのに苦労は必須と考えてください
可愛い子との、素敵な出会いがありますことを。。。。
今回の記事を書くにあたってご協力いただいた方のご紹介
今回記事を書くのにご協力いただいたらんまるさん、
快く写真を提供していただいた上、記事へのアドバイスもくれた赫茄子さん、
本当にありがとうございました!
らんまるさんは鳥さんの飼育の知識もさし餌経験もしっかりありますので、もしお困りのことがあった際にはご相談にのってくれるとのこと。
何かあった際は聞いてみてくださいね
赫茄子さんはご自身でもブログを書いていて、そちらで自分のインコさんや飼っている動物の情報を発信していますので、よければそちらもチェックしてみてくださいね
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